「ようこそ」という言葉をこれほど頻繁に口にする国は他にありません。そしてエジプト人がその言葉を口にするたび、それは本心からの歓迎です。悠久の歴史を持つ古代エジプト文明が人々を魅了し続ける一方で、現代のエジプト人も同じように驚くべき存在です。
北墓地
イスラム・カイロの北墓地:古代の墓に息づく生ける遺産
北墓地は、広大なアル・カラーファ墓地の一部を形成しており、旅行者の間では「死者の街」として知られるこの場所では、歴史と現代の生活が驚くべき調和を見せています。「死者の街」という陰鬱な名前からは、静まり返った墓石や幽霊のような町を連想させますが、この場所は実際には活気に満ちた生活の織り成す一大タペストリーとなっています。
荒廃した無人の地というイメージとは程遠く、このエリアはスラム街のように賑やかな地域社会となっており、多くの住民が日々の活動にいそしんでいます。車がほとんど走らないため、カイロ市内によく見られるクラクションやエンジン音の喧騒から解放された、静寂で穏やかな空気が漂っています。生活空間の間には、マムルーク朝時代の壮麗な記念碑が点在しており、地域の景観に独特の美しさを加えています。
北墓地へのアクセス自体が冒険の一環と言えるでしょう。おすすめのルートは、ミダン・アル・フセインからシャリーア・アル・アズハルを東へ進み、シャリーア・サラーフ・サレームの高架橋を渡る道です。この歴史的な地域には3つの主要な記念碑があり、その保存状態の良さと復元された姿から、過去の建築の素晴らしさを垣間見ることができます。
北墓地では、路地や記念碑のひとつひとつが物語を紡ぎ、過去の余韻と現代の活気が見事に融合しています。カイロの多面的な魅力を体感したい方にとって、訪れるべき必見のスポットと言えるでしょう。
作成日:2020年3月18日
更新日:2025年3月22日
カイロ旅行ガイド

