「ようこそ」という言葉をこれほど頻繁に口にする国は他にありません。そしてエジプト人がその言葉を口にするたび、それは本心からの歓迎です。悠久の歴史を持つ古代エジプト文明が人々を魅了し続ける一方で、現代のエジプト人も同じように驚くべき存在です。
修道院の図書館
修道院の図書館
修道院図書館の概要
聖カトリーヌ修道院の南部に位置する図書館は、知識と歴史の宝庫として世界的に名高い場所です。この図書館はその膨大なコレクションとともに、ユニークで希少なキリスト教写本や原典書籍を有している点で注目を集めています。ここでは、古代の文献と現代の研究が出会い、知恵が脈々と受け継がれています。
写本コレクション
シナイ写本はこの図書館の中核を成しており、キリスト教修道史上最も古く、最も重要なコレクションです。3,300点を超える写本のうち、約3分の2がギリシャ語で書かれ、残りはアラビア語、シリア語、ジョージア語、スラブ語などの言語で構成されています。また、ポーランド語、ヘブライ語、エチオピア語、アルメニア語、ラテン語、ペルシア語などの希少な写本も含まれています。これらは典礼用文書から古典ギリシャ文学に至るまで、教育と霊的生活の多様な姿を時代を超えて提供しています。
写本の至宝には、4世紀の「コデックス・シナイティクス」や「コデックス・シリアクス」というパリンプセスト(再利用された写本)が含まれています。また、パピルスに書かれた写本や、ギリシャ語、アラビア語、トルコ語の巻物が多くあり、17世紀以上にわたる修道生活の生き証人といえる存在です。
初期の印刷書籍
図書館の初期印刷本コレクションもまた素晴らしく、約8,000冊が所蔵されています。その多くはギリシャ語で書かれた初版で、ホメロス、プラトン、アリストファネスといった巨匠たちの重要な作品が含まれています。これらの巻物には、シナイの修道士たちが書き込んだ注釈が残されており、修道院住民の深い学問的探究心がうかがえます。
アーカイブ
シナイのアーカイブは歴史的な宝庫であり、手紙、会計簿、勅書など多岐にわたる文書が含まれています。これらの文書は修道院の歴史や、外部との関係、直面した課題を知る上で貴重な資料となっています。15世紀にまでさかのぼる文書もあり、修道院の運営や人々との交流を解明する重要な手がかりを提供しています。
新たに発見された写本群
1975年には、写本の葉や断片が多数発見され、図書館の収蔵品に大きな変化をもたらしました。これらの新発見は、コデックス・シナイティクスの貴重なページや、カフカース・アルバニア語のような多様な言語の古文書を含み、古代言語や文字を研究・復元するための貴重な機会を提供しました。
写本装飾
修道院の写本は、支配者、巡礼者、そして修道士たち自身による寄進の結晶です。それらはさまざまな芸術様式が融合した装飾や書道を備え、写本が生み出された豊かな文化的・知的背景を映し出しています。
コデックス・シナイティクス
図書館の至宝である「コデックス・シナイティクス」は、4世紀に作られた新約聖書の最古の完全な写本です。その歴史的および文献学的意義は比類なく、聖書研究の基盤を築いた存在といえます。この写本がシナイから大英図書館へ、またティシェンドルフのような学者の手を経て受け継がれた歴史には、さらなる興味深い背景があります。
預言者ムハンマドの勅書
修道院の歴史を特徴付けるもう一つの側面が、預言者ムハンマドから与えられた保護の手紙(アフティナメ)です。この文書は、修道院の存続を確保し、何世紀にもわたってキリスト教徒とイスラム教徒の平和な関係を育む役割を果たしました。原本は現在コンスタンティノープルに保存されていますが、修道院にある複製は寛容と協力の遺産を象徴し続けています。
この概要では、聖カトリーヌ修道院図書館の豊かで多様なコレクションのほんの一部を紹介しました。ここは過去と現在をつなぐ知識の聖域であり、学びと霊的探求の力を証明する場所でもあります。
作成日:2020年3月18日
更新日:2025年3月23日
聖カトリーヌ旅行ガイド

